カナダ西海岸は穏やかな気候に恵まれ、雄大な自然に溶け込んだ都市作りで知られるブリティッシュ・コロンビア(BC)州は、さまざまな面でロングステイの夢を実現するのにふさわしい場所だ。
国際的な雰囲気のなかで充実した「暮らし=ロングステイ」を体験することで、心も体もリフレッシュすることができる。BC州の魅力は数えつくせないが、笑顔の優しい人々との出会いがきっと忘れられない思い出になるだろう。

ロングステイの人気都市を比較!

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バンクーバー/VANCOUVER

「世界で最も暮しやすい都市」を楽しむ

バンクーバーは世界的に信頼されている調査機関によって、「世界で最も暮らしやすい都市」に認定された理想的な街だ。海、山、温帯雨林の森などに囲まれ、大自然の恵みをたっぷり味わいながらも、英語学校などはもちろん、コンサートホールから人類学博物館まで、都市ならではの文化施設も充実している。様々な文化背景をもつ人々が調和を持って暮らしているのもバンクーバーの特徴で、バラエティに富んだ食事やカルチャー体験も期待できる。また、軽い散策から、カヤックやサイクリングまで、体力に合わせたスポーツが手軽に楽しめるのも、この街ならでは。バンクーバーを基点にすると、他の都市やリゾートへアクセスしやすいので、充実した小旅行を計画できるのも嬉しい。

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ビクトリア/VICTORIA

シニア優先の「花の街」で暮らす

カナダ人にとって、温暖で穏やかな雰囲気のビクトリアは「リタイア後に住みたい街」として最も人気がある都市。シニアの人口が多いので、公共設備やバリアフリーも充実している。美しい海峡に面し、気温も年間を通じて温暖。古き良き時代の英国を思わせる住宅街では、ガーデニングに熱心な市民が多く、公園や植物園などが多いのが特徴。プライベート・ガーデンの訪問やガーデニングのワークショップなど、ガーデニングに関連したプログラムやイベントも多い。ビクトリアはブリティシュ・コロンビア州の州都なので、州立博物館や美術館などの文化施設も、都市の規模に比較して非常に充実している。ビクトリアを基点に、ワイナリーめぐりや、先住民の文化を尋ねる旅など、多彩な小旅行やアウトドアスポーツを楽しむことができる。

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ウィスラー/WHISTLER

オリンピックの開催地リゾートを満喫

2010年の冬季オリンピックの会場に選ばれた、世界的に有名なスキー・リゾート。冬だけではなく、一年を通じて様々なアウトドア・スポーツを楽しめる。体力や経験に応じて、シニアに適したアクティビティがそろっているので、基礎体力をもう一度整えなおすことから、激流下りなど長い間の夢だった冒険にチャレンジすることまで、多彩な体験が待っているだろう。また、スパ施設が非常に充実しているので、「癒し」をテーマにしたロングステイにもおすすめ。氷河が見渡せる山並みなをはじめとする自然環境の良さ、避暑地として最高の条件がそろっている。さらに、夏のコンサート、野草観察ツアー、陶芸のスタジオ、ワイン・フェスティバルなど、カルチャー面でも選択の幅が広い。

ロングステイむけの宿泊施設を選ぶ

海外での「暮らし」を体験するロングステイでは、どのような「住まい」を選ぶかが大きなポイント。キッチンや家具付のコンドミニアムタイプのホテルから始めるのがおすすめだ。

目的やライフスタイルに合わせた選択

キッチンや家具付といっても、簡易的なグリルと電子レンジ、小さな冷蔵庫というモーテルタイプから、1LDKのマンションのようなコンドミニアムまで選択の幅は広い。また民泊が日本で話題になってきているが、カナダではホームステイと同じように、部屋貸しは一般的に普及している。部屋貸しは、大家さんと一緒に生活するホームステイと違い、二世帯住宅の片方を貸し出しているので、玄関やキッチン、浴室は専用、またはルームメートと共同で使用する。ロングステイの目的や理想とする「暮らし」のスタイルに合わせて選ぶと良いだろう。

住居探しは日本語の宿泊情報サイト「お泊まりくん.com」で探すこともできる。

食器や調理器具も完備

バンクーバーやビクトリアには、ビジネスなどの長期滞在者を対象としたコンドミニアムタイプのホテルがたくさんある。ウィスラーでも、数週間以上の長期休暇を楽しむ人のために食器や調理器具、主要な電化製品が揃ったホテルが多いので、ロングステイ向きの「住まい」を見つけるのは比較的容易。

長期契約なら宿泊の割引あり

ロングステイ向きのホテルは、最低でも数日の連泊が条件のところが多い。一週間単位、または一ヶ月単位で契約することによって、宿泊料金の設定が変わってくる。最初から長期契約をするより、数日暮らしてみて「居住性」の良さを体験してから決めるのもおすすめだ。

周囲の環境チェックも大きなポイント

ロングステイの「住まい」を探すときは、施設そのものも大事だが、周辺の環境チェックも忘れてはならない。歩いて行かれる場所にスーパーがあるかとか、公共交通へのアクセスなどのポイントをチェックしよう。そのためには、最初から長期契約をせず、じっくり「住まい」を探すのもロングステイの楽しみといえるだろう。

ロングステイのなかで英語を学ぶ

バンクーバーやビクトリアなどには、第二外国語として英語を学ぶ(ESL = English as a second language)人々のために、語学学校と呼ばれる英語学校がたくさんあり、英語圏外の国からたくさんの人が学びにきている。

語学学校は目的や期間、英語のレベルなどによって幅広い選択が可能。語学学校を紹介する専門のコンサルタント会社(留学情報センター)まであるほど。留学情報センターのほとんどは無料で学校を紹介しており、運営は学校からの仲介手数料で行っているところが多い。その関係で長期間の契約を勧める場合や、仲介手数料の高い学校を勧める場合があるので注意しよう。

学校のほとんどは、申し込む際に授業の見学や体験入学などもさせてくれるので、ロングステイの場合には自分の目で確かめるため現地に着いてからゆっくり学校を探すのも一案だ。先生のわかりやすい教え方や授業の進め方、相性もポイントだからだ。

語学学校のプログラムは、カナダでの大学進学を目指すものや、翻訳、ビジネス英語など、多岐にわたる。中でも、シニアのロングステイのニーズにあわせ、「電話のかけかた」や「買い物のときに便利な英会話」といったような、生活に密着した場面を想定して会話を学んでいくよう、プログラムを設定している学校もある。また、午前中はクラスで授業を受け、午後は公園や博物館、ショッピングモールなど、観光を兼ねた場所に出かけて会話の練習をするといったように、体験を通して学ぶプログラムを用意している学校もある。

プログラムの期間は数週間から1年までいろいろだが、週単位で開講しているところが多い。学校ばかりでなく、バンクーバー・アート・ギャラリー(www.vanartgallery.bc.ca )のように、美術館の成り立ち、作品の解説、鑑賞のアドバイスなどを盛り込んだ、ESLの学生のための特別プログラムを用意しているところもある。

語学習得に的を絞ったロングステイなら、州立大学や市立カレッジなどのような、公立校の語学プログラムを選んでみるのも良いだろう。こうした公立学校では、比較的長期のプログラムが普通だが、4週間から6週間の短期クラスもある。
また、各自治体の教育委員会が主催して、高校などの校舎を使ったカルチャースクールや、コミュニティセンターなどのプログラムに参加するのもおすすめだ。
もちろんクラスは英語で行われるが、フラワーアレンジメントや手芸、料理など、実際に目で見ることによって言葉のハンディをおぎなえるクラスを選べば、言葉の学習を兼ねて現地の人との交流も楽しめるだろう。この夜間プログラムには、ESLのプログラムが用意されていることも多い。

ロングステイのポイント!

ゆったりとした時間を贅沢に楽しむ

日程を細かく定めず、自由な時間をゆったりと過ごすのもロングステイならでは。短期間旅行者向けの宿泊施設ではなく、「居住=ロングステイ」する場所を定めることで、現地の人々との日常生活を通しての交流も楽しみだ。

現地の人々と豊かな交流

食材や生活用品の買い物やご近所散策、図書館の利用など、「日常生活=ロングステイ」をおくることによって、現地の人々との自然で豊かな交流が生まれる。人種や文化が多様なカナダでは言葉の壁を越えるのも案外難しくない。

「訪問」よりも「暮らし=ロングステイ」を体験する滞在

海外旅行は日本での日常生活から短期間離れ、観光やショッピングなどを楽しみものだが、ロングステイは外国で暮らすことによって、通り過ぎるだけでは味わえない深い感動をよぶ「体験」を目的とする。

目的を絞ったロングステイでこそ得られる充実体験

目的をはっきり絞ってロングステイを始めるのもおすすめだ。英会話の学習、ハイキングなどを通しての体力作り、ボランティア活動、海外生活体験記の執筆など、選択肢の幅は非常に広い。

海外生活体験(ロングステイ)から生まれる新たな視点

町全体がバリアフリーの都市企画、シニアの人たちの活発な生活活動、市民全体でとりくむ観光保護など、カナダの社会構造や人々の暮らしを深く考察できるのもロングステイならでは。

公共交通

バンクーバー、ビクトリア、ウィスラー、それぞれのコミュニティ には、バスや電車、船などの安全で清潔な公共交通網が整備さ れている。ゾーン内での乗り換えが自由など、使いかってもよく、 乗り放題の一日券、一ヶ月ごとの定期券なども用意されている。

安全

カナダ、とりわけBC州は都市部でも非常に治安が良い。電車やバスなどの公共交通網も安全に利用でき、運転や街中の散策などにも、注意が必要な場所はほとんどない。警察や消防の組織も充実している。

気候や環境の良さ

西海岸は一年中温暖な気候に恵まれ、特に夏は湿度も低く爽やかな日々が続く。穏やかな海、フィヨルドの海岸線、氷河の輝く山々、温帯雨林の深い森など、素晴らしい大自然が都市と調和している。

クリニック、病院

カナダの医療技術は世界的にも高いレベルに達している。バンクーバーには大きな病院もあり、緊急体制もととのっている。ただし、日本のように総合病院へ直接診療を受けにいくのではなく、必ず「ホームドクター」と呼ばれる医師を通して専門医を紹介してもらうことになる。「ウォークイン・クリニック」と呼ばれる診療所なら、ロングステイの人でも、ホームドクターの紹介や予約無しで利用できる。バンクーバーには、日本語のわかる医師もいる。歯科医師の場合は、直接それぞれの歯科診療所へ行けばよいが、必ず予約を入れること。

人種差別の無さ

カナダはさまざまな人種や文化背景をもつ人々が集まっている国。それぞれの個性や伝統を生かして、「モザイク文化」のようにカナダ文化を作り上げようとしている。人種差別のない、本当の意味でのグローバル感覚に触れることができる。

日用品の買い物

食料品の大型スーパーがあちこちにあり、生鮮食料品から日用雑貨まで買うことができる。東洋系のスーパーや日系の食料品店などもあり、日本の食材を入手するのも、それほどむずかしくない。野菜などは、バラで売られているのが普通で、文字通り人参一本からでも買うことができるのも便利。風邪薬などの常備薬、化粧品、雑貨などはドラッグストアで。

日本食、新鮮な魚介類が豊富

バンクーバーには東洋系の食品を中心とした大型スーパーもあるほどで、日本の食材を入手するのは比較的容易。新鮮な魚介類やオーガニックの野菜なども豊富。スーパーでは、野菜などはばら売りが原則なので、少人数向きの食事にも便利。

医療施設の充実

カナダは世界的にレベルの高い医療体制が整っていることで知られている。万一の事態にも敏速に対応でき、日本人の通訳も見つけやすい。ただし、医療費は高額なので、長期滞在に備えた旅行保険は必携。

カナダでは水道から出てくる水を直接飲んでも、基本的には心配ない。ただし、風土に慣れるまでは生水を飲むのは避け、湯冷ましか市販のミネラルウォーターなどがおすすめ。バンクーバーやビクトリアの水質はやや軟水。洗濯のときは、洗剤は日本より少なめに入れるのがコツだ。

光熱費

キッチン付きのホテルなどでは、光熱費は宿泊費に含まれている。アパートなどを借りる場合も、光熱費は日本と比べてかなり安い。水道料金はない。アパートにはレンジやオーブン、冷蔵庫などが備えられている場合が多い。レンジやオーブンも電気を使うのが一般的。

電話、コーリングカード

電話は日本とほぼ同じ使い方。プリペイド式の携帯電話をレンタルすることもできる。日本のようなテレホンカードではないが、コーリングカードと呼ばれる電話用のプリペイドカードを利用することで長距離電話が割安で、大量のコインを用意する必要もない。

銀行

外国人でも預金口座を開くことは可能だが、クレジットカードや旅行小切手などを使うのがおすすめ。日本のATMカードが使える場合もあるので、日本の取引銀行に確認すると良いだろう。

「隣組」や「バンクーバー新報」などの日系コミュニティ情報

カナダの西海岸には130年以上も前から日系人のコミュニティがあり、今も活発に活動を行なっている。「バンクーバー新報」などの日本語新聞をはじめとする、日本語の現地出版物も多く、「隣組」と呼ばれる日系のシニアのためのサポート組織なども充実している。

日本語でのサポートシステム

日本語の話せる医師、弁護士、不動産業者、通訳などを比較的容易に見つけることができる。移民のサポートが中心だが、ロングステイの人々へも協力してくれる日系のシニア・サポート組織などが充実している。日系新聞や雑誌などのメディアもある。

コミュニティ・プログラムが充実

コミュニティセンター、植物園、博物館、公立高校、大学などで、さまざまな学習プログラムやワークショップなどが企画されている。シニア向けのプログラムも豊富で、年齢や語学力にかかわらず気楽に受講できるものも多い。

レンタカー

自動車を利用すれば行動範囲は格段に広がるだろう。ただし、左ハンドルで右側走行というように、日本とは交通規制がことなるので、慣れるまで慎重な運転が望ましい。数週間単位で車を借りれば割安になるが、保険は十分にかけておくこと。クレジットカードと国際免許は必携。

バリアフリー

カナダでは、個人の住宅などを除き、建物はバリアフリーに設計されているのが原則だ。駅や図書館などはもちろん、公園や歩道の段差からトイレ、劇場の専用スペースまで、車椅子でも自由に行き来できるよう、都市計画の基本にバリフリーが生かされている。歩道の幅も広く、足の弱い方でも、ゆったりした気分で買い物や散歩を楽しむことができる。

観光案内所

充実した情報を揃えた観光案内所がある。日本語の話せる係員が窓口にいる場合もあり、親切な対応が期待できる。宿泊施設の紹介から、エンターテイメント情報まで、さまざまな相談にのってもらえる。

街の中でも「小旅行」が楽しめる

都市の中にも氷河が残した湖や温帯雨林の森があり、街の中でも「小旅行気分」が味わえる。郊外へ出れば、先住民の歴史を物語る遺跡から温泉まで、さまざまな「旅」が待っている。