花の都『ビクトリア』

19世紀の英国をしのばせつ建物が並び温暖な海洋性気候に恵まれた保養地

バンクーバーの西に、ジョージア海峡をはさんでうかぶバンクーバー島。島といっても総面積は九州とほぼ同じ。その最南端に位置するのが、ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアだ。穏やかな気候に恵まれ、美しい街並みをもつビクトリアは、観光地、保養地として地元からも親しまれている。
街の歴史は1843年、ハドソン・ベイ・カンパニーが西部地方の毛皮貿易の拠点として、英国からに開拓者に築かれたことに始まる。1849年にはイギリス領植民地となり、時のイギリス女王の名を取り「ビクトリア」と名付けられたこの町は、今もチューダー朝やビクトリア朝の建物が立ち並び、今もアフタヌーンティやガーデニングなど、英国風の生活習慣を色濃く残している。まるで19世紀の英国をそっくりそのまま再現したかのようである。
英国風の気品と落ち着きをたたえた街のたたずまい、それに加えてここには、英国にはない恵まれた自然条件がある。三方を海に囲まれ、インナーハーバーにはヨットやクルーザーがうかぶ。港の南側にはホアン・ド・フカ海峡が横たわり、そのはるか向こうに米国ワシントン州のオリンピック州立公園の山々に残る氷河をみることができる。こんな素晴らしい環境の中で、のんびりと生活をおくってみたいと近年は定年後のロングステイ先としても人気だ。

ビクトリアを動画で旅してみる

日本・カナダ各都市からビクトリアへのアクセス

日本からの直行便はなく、カナダ各都市からもビクトリアへ行く場合は、ほとんどがバンクーバーを経由する。バンクーバーからエア・カナダ(Air Canada)がほぼ1時間おきに運行しており所要約30分。カルガリーやエドモントンからはエア・カナダとウエスト・ジェット航空(West Jet)が1日数便運航しており、所要約1時間30分。トロントからはエア・カナダが1日1便で、所要約5時間。バンクーバー国際空港からはパシフィック・コーチ・ラインの長距離バスがビクトリアのダウンタウンまで運行しているので、高い航空券を支払うくらいならバスがオススメ。

ビクトリア国際空港

ビクトリア国際空港(Victoria International Airport)は、ダウンタウンから車で約30分(北に約50 km)の場所にありシャトルバスも運行している。空港はこじんまりとしており規模は小さいが、カナダ国内はもちろんアメリカへの路線もある。

シャトル・バス(所要約40分)

YYJ・エアポート・シャトルがビクトリア国際空港とダウンタウンの間を運行している。乗り場は空港の到着ロビー階を出てすぐの所に乗り場があり、チケットは乗り場そばの券売所か車内でドライバーから直接購入できる。こじんまりとした小さな空港なので迷うことはまずない。ダウンタウンでは主要ホテルに停車するが乗車時に事前にドライバーに伝えていくといい。ダウンタウンから空港へ行く場合は必ず予約が必要。予約はホームページか電話、もしくはホテルのコンシアージュに頼もう。

ホームページ(英語):https://yyjairportshuttle.com/

市バス(所要約1時間)

ビクトリア国際空港とダウンタウンを1日6往復運行している。バスは途中、ブッチャート・ガーデンを通るものもある。

水上飛行機

バンクーバー・ダウンタウンのウォーターフロントからビクトリア・ダウンタウンのインナーハーバーまで水上飛行機が定期便を運航している。30分から1時間おきに運航しており所要時間は約35分。

晴れた日は眼下にジョージア海峡に点在するガルフ諸島が一望できる。

フェリーを乗り継いでの移動は約4時間(往復8時間)かかるため、自力でバスを乗り継いで日帰りで観光することはむずかしい。ツアーなら12時間30分の日帰り観光で、プロのツアーガイドが無駄なくポイントをまわる。

水上飛行機でビクトリアに行く場合は、ブッチャーとガーデンは少し離れているので、アクセスを調べてから予約しよう。

長距離バス

BCフェリー・コネクター(BC Ferries Connector)がバンクーバーのバス・ディーポからとバンクーバー国際空港からビクトリア市内までを結んでいる。ビクトリアへは途中BCフェリーに乗船するが、フェリー代もバス料金に含まれる。フェリーは定員500人、300台の車両が積載できる近郊を結ぶフェリーでは世界でも最大級。乗船後バスから降りる際はバスの停車位置とナンバーや特徴を覚えておくこと。所要時間は約3時間30分。

ビクトリア市内の移動手段

市バス

BCトランジット社(BC Transit)が市バスを運行。ダウンタウン周辺からスワルツ・ベイ・フェリーターミナルまで広範囲に路線を展開している。料金はどこまで行っても同じ。1時間以内なら乗り換えもえきる。その場合はドライバーからトランスファーチケットをもらうこと。ダウンタウンを走るほとんどの路線がダグラス通りを通過する。時刻表やルートマップは観光案内所で手に入る。

BC Transit http://bctransit.com/victoria/home

ビクトリア・ハーバー・フェリー(水上バス)

ビクトリア・ハーバー・フェリー(Victoria Harbour Ferry)が、インナーハーバーからビクトリア港内の10ヶ所の停泊所を結ぶ小型フェリーを運航。ルートはハーバー・ツアー(所要45分、15分ごとに発)とゴージ・クルーズ(所要55分、30分?1時間ごとに発)のふたつ。ツアー以外にも、ふたつの停泊所間の移動も可能なので水上タクシーとしても利用できる。

ビクトリア・ハーバー・フェリー http://www.victoriaharbourferry.com/

タクシー

ェアモント・エンプレス・ホテルやバスディーポの前などにタクシーストップがある。流しのタクシーも多く、手を挙げれば停まってくれる。