雄大な自然の懐に抱かれたカナディアンロッキーの拠点
朝もや煙る町なかを飛び跳ねるように横切る動物たち。昇ったばかりの太陽が、万年雪を身にまとった山々を照らし出し、透き通る湖にその姿を映し出す。風景すべてが絵ハガキのように美しいバンフ国立公園にあり、神々の化身のような壮麗な姿で立つランドル山とカスケード山に抱かれたカナディアンロッキー観光の中心地だ。
バンフの歴史は、1883年にカナダ大陸横断鉄道の建設にたずさわっていた鉄道工夫たちが洞穴の中にわきでる硫黄温泉を発見したことに始まる。その後1885年、カナダ政府はここを中心とする温泉一帯26km?を指定保護区とし、翌1887年にカナダ初、世界でもアメリカのイエローストーン、オーストラリアのロイヤルに次ぐ3番目の国立公園に指定。その後も指定地域が広がり現在では6641km?(栃木県の面積と同じ)の広さをもつ広大な公園となるに至った。
バンフの街を動画で旅してみる
リゾート感覚あふれる山ありの町は、バンフ通りを中心にみどころが点在
バンフは人口約7000人のこじんまりとした町。バンフ市内の区画は、ボウ川の南側がリゾートエリア、ボウ川の北側が庶民が暮らすダウンダウンと区分し、1888年、バンフを代表するリゾートホテル、フェアモント・バンフ・スプリングスがボウ川の南にオープンした。中心街はバンフ通りを中心に広がる数ブロックの狭い範囲で、30分もあるけば町を通り抜けてします。バンフ通りにはレストランやみやげ物屋が集中している。どの建物もロッキーの自然に溶け込むような温かみのある外観で、ほとんどが2階建てだ。これは国立公園内ではそれ以上の建物が規制されているためで、カナダではいかに自然との調和が重視されているかがわかる。バンフ・ダウンタウンの通りの名前は、ほとんどが動物の名前になっている。ムース通り、エルク通り、ラビット通りなど。
バンフへのアクセス
カルガリー国際空港から
定期運行バス(所要約2時間)
カルガリー国際空港からバンフ市内へは「バンフエアポーター」、「ブリュースター」の2社が1から2時間毎に定期便を運行している。事前に予約することもできるが、飛行機の遅延などを考え到着してからチケットを購入してもおそくない。
バンフエアポーター(英語)
http://www.banffairporter.com/
鉄道駅/バスディーポから
徒歩(所要約10分)
鉄道駅とバスディーポからダウンタウン中心部へは徒歩10分。駅前のエルク通り(Elk St.)を真っすぐ行くとメインストリートのバンフ通り(Banff Ave.)にでる。荷物がある時はタクシーを利用しよう。
ジャスパーから
定期運行バス(所要約5-6時間)
ジャスパーからはブリュースターが5月から10月の間のみ毎日1便、レイクルイーズ経由で結んでおり、所要約6時間。スキーシーズンはジャスパーのツアー会社「SUNDOG TOURS」がジャスパーからシャトルバスを運行。所要約5時間。
バンフ市内の交通手段
バンフの町中のポイントをまわるには、Roamバスがハイブリッドの市バスを運行している。ルートは全部で3つあり、全てバンフの町の中心地であるバンフ通り又は交差する通りから出ている。バンフの中心地は1km程度なのでバス停も迷わないはず。そこから、ルート?はフェアモント・バンフ・スプリングス・ホテル行き、ルート?はトンネル・マウンテン行き、ルート?はリムロック・ホテル・リゾート前を通り、アッパー温泉とサルファー山のバンフ・ゴンドラ行き。
チケットは、バスのドライバーから直接購入することができる。1日中バスを利用できるデイバスや、回数券のかわりになるトークンもあり、これらはベアー通り(Bear St.)にあるバンフ市役所(Banff Town Hall)で購入できる。バスの運行スケジュールは、バンフ観光案内所などで入手できる。
ROAM・パブリック・トランジット・サービス(英語)
http://roamtransit.com/
バンフ市内の移動手段
バンフ市内の殆どのレストランやみやげ物店はメインストリートのバンフ通りに集中してある。ホテルやモーテルなどの宿泊施設もバンフ通りか1ブロック前後にあり、観光案内所、スーパー、銀行も含めわずか3ブロックほどの範囲に必要なものはすべて集中している。 ボウ川の橋をわたる周辺には、博物館があり橋からはカスケード・ガーデンがある公園管理事務所もみえる。カスケード・ガーデンに背をむけてバンフ通りを眺めると、その背後にはバンフを代表するカスケード山(Cascade Mountain)が町を見守るようにそびえたっている姿がよくわかる。バンフ市内を一歩でると、カナディアンロッキーの魅力がさらに深まるので、観光バスやレンタカーでまわってみよう。